パートナーシップ制度の違い
パートナーシップ制度って違うの?
2018年大阪市でパートナーシップ制度が始まりました!
それより以前には
2015年11月 渋谷区
2015年11月 世田谷区
2016年 4月 伊賀市
2016年 6月 宝塚市
2016年 7月 那覇市
2017 年 6月 札幌市
2018 年 4月 福岡市
でパートナーシップ制度が導入されていて、全国で8番目となります。
この8つのパートナーシップ制度全部同じなのでしょうか?
実は違うんです!
パートナーシップ制度のタイプ分け
パートナーシップ制度は大きく2種類に分かれます。
一番最初に導入した「渋谷区」と「それ以外の自治体」で異なります。
①渋谷区
②世田谷区・伊賀市・宝塚市・那覇市・札幌市・福岡市
今回の大阪市も②に入ります。
分かりやすく
①を渋谷区型
②を世田谷区型
と呼んでみます。
パートナーシップ制度の違い(その1)
パートナーシップ制度の違いはなんでしょう?
それは「どうやってできたか」です。
①の渋谷型では「条例」に基づいて作られています。
(正式名称は「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」です)
条例は議会で議員さんの話し合い➡多数の賛成➡成立 となります。
地方版の「法律」なんです。
多数の議員さんに賛成していただかないといけないので成立まではそう簡単ではないかもしれません。
②の世田谷型は「要綱」に基づいて作られています。
(世田谷区の正式名称は「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する事務処理要領」です)
(大阪市の正式名称は「大阪市パートナーシップの宣誓の証明に関する要綱」です)
「要綱」とは「基本となる大切な事柄。また、それらをまとめたもの」(goo辞書より)
つまり
「事務処理要綱」とは、事務処理の基本をまとめたもの、ということになります。
ものすごくザックリ言うと「事務処理ルールまとめ」みたいな感じでしょうか。
自治体の内部ルールについてのものなので市長さんなどのトップが作ることができます。
(市長決済といいます)
パートナーシップ制度の違い(その2)
作られ方が違うと効果も違ってきます。
①の渋谷型は作るのが大変ですが「法律」なので「強制力」があります。
役所の職員さんだけでなく区民にも責任と義務が課されます。
具体的には渋谷区の条例では
著しい人権侵害などが引き続き行われている場合、区長は「渋谷区男女平等・多様性社会推進会議」の意見を聞いたうえで、事業者名を公表することもあります。
と記載されています。
②の世田谷区型では「要綱」という内部ルールなので区民・市民に義務や責任はありません。
無理矢理何かをさせたり、守らせたりすることはできません。
あくまでパートナー宣言を受け取ったよ、という手続きです。
大阪市の「大阪市パートナーシップ宣誓書受領証」というネーミングが分かりやすいですね。
まとめると下の表のとおりです。
パートナーシップ制度の違い(まとめ)
- 渋谷区・世田谷区・伊賀市・宝塚市・那覇市・札幌市・福岡市・大阪市のパートナーシップ制度は全部同じではない
- 大きく分けて渋谷区型と世田谷区(とそれ以外の6つ)型
- 渋谷区型は条例、世田谷区型は要綱が根拠
- 渋谷区型は作るのが難しい、世田谷区型は市長決済でOK
- 渋谷区型は区民や会社にも強制力あり、世田谷区型はなし
結構違うものですね。
パートナーシップ制度の本音として、強制力はほしいところです。
ただ、議会で賛成多数をとれないと条例は作れない=そもそも制度が作れない。
なら、とりあえず要綱を作ろう。
という自治体が多いのかなと感じています。
どちらがいいか、人によって意見も様々ではないでしょうか。
こう行政書士事務所ではLGBT講師のご依頼も受け付けております。
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