前回のブログではそれぞれの自治体で取り組まれているパートナシップの違いについて書かせていただきました。
(2018年7月11日 パートナーシップ制度の違い)
まとめると
- 渋谷区・世田谷区・伊賀市・宝塚市・那覇市・札幌市・福岡市・大阪市のパートナーシップ制度は全部同じではない
- 大きく分けて渋谷区型と世田谷区(とそれ以外の6つ)型
- 渋谷区型は条例、世田谷区型は要綱が根拠
- 渋谷区型は作るのが難しい、世田谷区型は市長決裁でOK
- 渋谷区型は区民や会社にも強制力あり、世田谷区型はなし
ということでした。
詳しく書いてありますので、よろしければご参考にしてみてください。
当事務所ではLGBTなどのセクシュアルマイノリティ―の方からの相談を受ける機会が多いです。
その中で同性パートナーさんの相談でよく出てくるのが
①お互いの財産はどうなるの?
②死後の生命保険を受け取れるの?
③扶養家族にはなれないの?
④病院などの医療施設で家族として扱ってもらえるの?
これらの疑問です。
残念ながら自治体のパートナーシップ制度では、これらのお悩みは解消できません。
でも、方法はあります!
そこで、今後は同性パートナー様のお悩みの中で、よく相談されるケースについて対処方法を書いていきたいと思います。
将来の不安のために、今のうちに準備しておく。
転ばぬ先の杖。
これを法律では「予防法務」と言います。
例えば「将来病気になったときのために生命保険に加入しておく」などがイメージしやすいでしょうか。
残念ながら、今の法律や、パートナー制度では同性パートナーさんの悩みごとは解決できません。
法律の制定を待つのもいいと思います。
でも、いざというときに困るのは自分です。
本当に必要なときに後悔するくらいなら、法律を使って自分達自身で自分達を守ってください。
後悔されるケースを見るたびに本当に悔しく切ない思いをしています。
方法はいくつかあります。
それぞれのメリットデメリットを知ったうえで、自分達に一番合ったものを選んで実行してもらえれば嬉しいです。
同性パートナーの悩み解消法PART1
1番目に紹介するのは「養子縁組」です。
少し前のセクシャルマイノリティ―界では一番利用されていた手段ではないでしょうか。
こちらの最大のメリットは
①費用がかからない
養子縁組届を提出するだけなので費用は0円です。
②税金・年金・扶養などの法的手続きの対象になる
扶養には入れますか?
遺族年金は受取れますか?
病院で親族として扱ってもらえますか?
という疑問に対して全てYESとお答えすることができます。
もちろんそれぞれに手続き上の要件がありますので、それをクリアしたうえでのお話です。
上記の他に財産を相続する場合の相続税の控除の対象にもなります。
では養子縁組のデメリットはどうでしょうか?
①年上のパートナーさんが親になる
別にいいのでは?と思うかもしれませんが
子である方のパートナーさんが先に亡くなられた場合の相続の手続きについて状況によっては思った通りにならないかもしれません。
また、遺族年金は「親」は受給できません。これも要注意ですね。
②戸籍謄本に載る
当然親子として戸籍に入ります。
証明する際には、戸籍謄本を見せればOKとなるのと同時に
ご家族の方が見る可能性もでてくるということです。
ご家族にカミングアウトされていないパートナーの方には不安要素となるかもしれません。
③あくまで親子
養子縁組は「親子」となります。
残念ながらパートナーではありませんので、満足のいかないシチュエーションもあるだろうと想像できます。
同性パートナーのお悩み解消法(養子縁組編)まとめ
今日は同性パートナーのお悩み解消法(養子縁組編)について書かせていただきました。
メリットとして
①費用がかからない
②税金・年金・扶養などの法的手続きの対象になる
デメリットとして
①年上のパートナーさんが親になる
②戸籍謄本に載る
③あくまで親子
を挙げています。
もちろん、同性パートナーさんによって上記がそのまま当てはまらないこともあります。
あくまでご参考になれば幸いです。
個別のご相談もお受けしております。
メール、ライン、電話、面談が可能です。
まずは以下よりお問合わせください。