同性パートナーの悩み解消法PART2
前回ブログでは当事務所が実際に同性パートナーの方から相談をお受けする中でよく聞かれる
①お互いの財産はどうなるの?
②死後の生命保険を受け取れるの?
③扶養家族にはなれないの?
④病院などの医療施設で家族として扱ってもらえるの?
という疑問に関する解決策のpart1として
養子縁組について書かせていただきました。
養子縁組という方法によってのメリットとデメリットについて詳しく書いてあります。
よろしければこちらもご参考にしてみてください。
今回は同性パートナーの悩み解消法PART2として
パートナー契約書についてご説明します。
パートナー契約書は皆さん耳にすることが多いようで、本当によく質問されます。
「契約書」という響きからなんだか頼りになりそうな感じです。
契約書なのだから守ってもらえるのでは?
パートナーであることを主張できる?
でもどうやって作るの?
などの疑問をお持ちのようです。
契約書
では、そもそも契約書とはどういうものなのでしょうか?
私たちは日常生活のなかで多くのものに署名や押印をしています。
家を借りるときは「賃貸借契約書」。
アルバイトや仕事に就くときは「労働契約書」又は「雇用契約書」。
少し高価なものを買うときは「売買契約書」にサインすることもあります。
このように契約書は結構身近に存在します。
何のため契約書を作るのか
実は契約って口約束だけで成立するんです。
例えば、友達とご飯に行って、ウッカリ財布を忘れたことに気づいた場合
「ごめん、今持ち合わせがなくて。本当に申し訳ないんだけど1,000円貸してくれない?明日には返すから」
「そうなんだ?いいよー」
という経験はないでしょうか?
これも立派な金銭消費貸借契約です。
でもこのケースでわざわざ契約書にサインはしないですよね。
では1,000円ではなく1,000,000円だったらどうでしょう?
ちょっと「いいよー」だけでは不安になりますね。
何か書面に残しておこうと考えるのではないでしょうか?
つまり契約書とは「そんな約束した覚えはない」「記憶にない」など
お互いの言い分が違ってしまい揉めるようにならないための書類なんです。
契約書に残すことで、それぞれが内容を確認することもできますし、「言った。言わない。」などのもめ事を防ぐ効果もあります。
お互いが約束した内容を誰が見ても明らかな状態にして、余計なトラブルを防ぐことができます。
契約書の内容は?
では、契約書の内容はどんなものがあるのでしょうか?
これについては日本では「契約自由の原則」をベースとしています。
契約の内容はお互いで自由に決めることができます。
違法なことや公序良俗に反すること(例えば「人を殺す」や「借りたお金を倍にして返す」など)でなければ基本的には自由に約束することができます。
つまり、同性パートナー間の「パートナー契約」を交わすことも自由です。
- 生活費は折半する
- 浮気はしない
- 家事の分担
- 破ったときは…
などを記すこともできます。
契約書の効力は?
契約はお互いの合意によって成り立ちます。
よって、契約書の効力はあくまで、契約をした当事者にだけ及びます。
誰かが書いた契約書に自分のことが書かれていたら驚きますよね?
当然パートナー契約書についても、その効力は契約を交わされたパートナー間に有効です。
従って
- 扶養家族にする
- 医療施設に家族として扱ってもらう
などの第三者への希望はパートナー契約書では果たせません。
(書いてあることで病院側が希望として聞き入れてくれる可能性はあります)
まとめ
今回はパートナー契約書について書きました。
①契約自由の原則
パートナー契約も自由に交わせます。
②契約書でなくてもOK
口約束でも構いません。もちろん書面にしておくと安心感は増します。
③効果は当事者のみ
あくまでお互いの約束ですので、その契約書で誰かに何かを強制することはできません。
次回は「同性パートナーの悩み解消法PART3」を予定しております。
ご参考になれば幸いです。